入れ皮って双葉の中

ザザッー ザァ ザァ

高かった空を瞬く間に埋め尽くす鈍色の天蓋、
雨粒の弾ける地面からは肥えた土の臭いが漂い始めていた。

タッタッタ ドシャッ ドスッ

剥き出しの地面はぬかるんで俺たちの足に纏わりついてくる。
駆ける2つの足音はドンドン重く、間隔は長くなっていく。

「あぁー!! だからレポートは昨日の内にやっとけって言ったろ双葉ぁ!」

「ゴメンってぇ~清彦ぉ! でも雨に降られるとは思わないじゃん?」

雨音に負けんばかりの声を張り上げながら言い争う俺と双葉。
元はと言えばこいつが共同でやる課題のレポートをやってなかったせいだ。

「あーあと迷惑ついでに清彦の家で雨宿りさせて?
そっちのが近いしさ?」

「はぁ…別に良いけどさぁ…」

こいつとは10数年の付き合いになるが相も変わらず調子の良い奴だ。
何時もの様に言い争いながら俺たちは家を目指した。

───

「ただいまー」

「オジャマしまーす!」

やっとついた。
ジットリと肌に張り付く制服、ドロドロになった靴の不快感が一気に押し寄せる。
それは双葉も同じ様で雨に濡れた身体を震わせていた。

「…風呂入ってけよ、風邪引くぞ。」

風呂を勧める。
気遣ったのもあるが、それより成長した幼馴染みの下着透けが目に毒だった。

「あー、うん! ありがとう。先に使わせてもらうね?」

双葉も察した様で少し顔が紅くなっている。

「タオルだけ頼む、あとジャージ、扉の前に置いとくから。」

「りょ。」

そう言って双葉は勝手知ったる様で風呂場へと直行する。
双葉が家に来るのも久しぶりな気がするな。

「デカくなったなぁ…」

どこがとは言わないが。

───

「いい湯だったよ~。良い入浴剤つかってるじゃん?」

入浴剤?そんなもの家にあったか?

「そうなのか?最近シャワーばっかりだったから知らん。」

「えぇ… 涼しくはなってきたけどさぁ それはチョット…。」

「なにちょっと引いてんだよ。」

「流石にねぇ?まぁ清彦も入りなよ、スッゴく気持ち良かったし。」

入浴剤を使った試しなどほとんど無いがそんなに変わるものなのか。

「じゃぁ入ってくる。」

「ごゆっくり~。」

───

ちゃぽん

「あ゛ぁー 結構効くなぁ。」

よくある柑橘系の香り、だが爽やかさに加え熟れた甘い香りのバランスが良い。
じわりじわりと伝う柔らかな熱が冷え固まった身体の芯からふやかしていく。
雨に降られたとは言えここまで気持ちいいとは。
双葉が上機嫌なのもわかる。
双葉の入った後の湯か…考えないようにしよう。

「…このまま溶けてしまいたい。」

久しぶりに風呂を堪能し、部屋着に着替えている時だった。

「キャァアア───!!!」

雨音を書き消す程大きな双葉の悲鳴が家に響き渡る。
強盗でも来たのか!?
髪を乾かす間もなくリビングへと駆ける。

「どうした!何があった!!!ふた…ば…?」

「っ!?きっ き…よひこぉ…」

なんだ?こいつは?

目の前に居たのは、何と言うか、ブヨブヨにふやかした皮膚の様な、
そんな肌色の肉塊を首から下げた、のっぺらぼう?マネキン?
着ている服は双葉に貸したジャージだ、良く見ると手元がふやけているように見える。
そのグロテスクな姿に思わず息を呑んだ。

「ヒッ! ふっふたばは? 双葉は何処だ!」

「わっ 私だよぉ 何これ? 私どうしたの?」

口が無いにも関わらず目の前のそれは双葉の声で話しかけてきた。
…これが、双葉?

良く見ると首元の肉塊は頭にも見える。

「双葉…なのか? どうしてそんな…何があった?」

「わかんないよぉ!!! 急にズルッて! 頭が落ちて!!! それで…。」

ズルッって? 頭が落ちて?
何を言ってるんだ?
表情はわからないが向こうも困惑しているらしい。

「とりあえず落ち着こう、深呼吸だ。
…呼吸できるか?」

「うぅん、スウゥ───ハァァ─── スウゥ…」

どうやら呼吸は出来るようだ、俺もそれに倣う。

「落ち着いたか?…双葉なんだな?」

「うん…そうだよ清彦。
…私、どうなってるの?」

「なんと言うか…のっぺらぼう?
頭が落ちたって言ってたけど首もとのやつか?」

「っえ?キモッ!何これ…」

豊かな双峰の上に乗った肉塊を見て声を漏らす双葉。
どうやら気づいていなかったらしい。

「一体何が……ん?」

背中がムズムズする。
それはうなじを辿って後頭部へと達した。

「どしたの?」

「何か、ムズムズすると言うか…」

ズルッ
一瞬視界が暗転し、顔から何が剥がれる様な、落ちる様な感覚がした。

「っえ?」

「…う…そ、きよ…ひこ?」

顔に触れる
口も、鼻も、目も何も無い
指先は何にも引っ掛かる事無く頭頂部へ触れる。
髪も無くなっていた。

眼下には頭の様な形をした肉塊がぶら下がっている。
俺も双葉と同じ姿になっているのだろう。

「…もしかして俺の皮膚なのか?これ。」

「あー、確かに頭っぽいね。
…一旦脱いでみる?」

何かとんでもない事を言い始めた。

「はぁ? 何いってんだ?」

「いや…これが私の皮膚なら破けるの怖いし、現状把握のためにも…ね?」

「なるほど?」

まぁこのままぶら下げておくわけにもいかないからな…
いやちょっと待て

「もしかして裸になる気か?」

「あっ…そうだね、
けどあんまりこの皮?に刺激与えたくないし…」

落ち着いたと思ったがまだ動転してるらしい。
しかしこのままにしておくわけにもいかない。

「…仕方ない。
向こう向いてるから。」

「…うん、わかった。」

互いに背を向け服を脱ぐ。
こんな状況じゃなかったら思うところもあっただろうが今は困惑しかない。

シュルッ ズルッ ズルッ

服を脱ぎ拘束が無くなった皮膚は重力に従い垂れていく。
どうやら背中がバックリ割れているようでズルズルと皮膚が脱げてしまった。

「あっ」

双葉も同じ状況らしい。

「…清彦ぉ これ、」

「見て大丈夫か?」

「ぅん。」

双葉の方を向くとそこには肌色をしたホラーゲームにでも出てきそうな不気味なマネキンが。
俺も似たような姿になっているのだろう。

そしてその足元にはブヨブヨにふやけた皮膚…皮…?
それを例えるなら海外ドラマに出てくるような変死体。
その顔を見ると歪んではいるものの確かに双葉の様だった。

「…何なんだろうね?これ。」

「俺も知りてぇよ…」

その皮を触って見たところそこそこ頑丈そうで破ける心配は無さそうだ。

「どうしよっか?」

「…この皮を着てみるしかないんじゃないか?」

「そうだね…デッカ」

「オイ、どこ見てんだてめー」

顔や髪は無くなったが俺のイチモツは…何と言うか簡略化されたものがそのまま付いていた。
双葉も乳首こそ無くなっているが豊かな胸がフルフル揺れている。

「ねぇ…清彦の皮着てみて良い?」

…?

「えっ?何言ってんの?」

「あー私の皮着ていいからさ?」

「いや交換条件とかじゃなくて、
…えっ何、正気か?」

「いやー男の子の身体ってどんなのかなーって。
思春期だし?清彦も興味あるでしょ?」

あったとしてもその発想にはならないだろう。

「ねぇよ。」

「ウソだー 私の透けブラちらちら見てたくせにー。」

「あれは事故だろ!!!」

「良いんだってー嘗め回すように見てた訳じゃないし。
男の子なら仕方ないもんね。」

…こいつ、人の気も知らないで。
今は解らないが絶対生暖かい視線してるんだろうな。
双葉はこうなったら例え後で泣きを見る事になってもおちょくるのを辞めない。

はぁー

「わかったよ、好きにしろ。」

「さすが話がわかるねぇ。」

そう言うや否や双葉は俺の皮を手に取り広げていく。
全く遠慮と言うものを感じない。
もうどうしようもないので双葉の皮の方に目をやる。

ふやけているもののその肌のキメは細やかで男の物とは違う繊細さを感じる。
細く、艶やかな髪の毛がまばらに散らばっていた。

「みてみてー清彦ー。」

「うぉっ!?」

急に男の声がして驚いた。
振り替えるとそこには俺がいた。

「双葉…なのか?
てか本当に着たのか…。」

「うん!スゴいね。
視点がメッチャ高いし声もこんなだし何かガッシリしてるし違和感がスゴイ。」

俺が双葉の口調で喋ってる。
表情もニコニコしていて違和感が凄いと言うか、不気味だ。

「俺もだよ。
…大丈夫か?何か不調とか無いか?」

「違和感は有るけど痛みとかは無いかな?
ほら、清彦も着てみて!」

「良いのかよ?嫌悪感とか無いのか?」

「別に清彦なら良いかなって。
それに私の姿した清彦見てみたいし。」

俺の幼馴染みはネジがいつくか外れているらしい。
まぁそれに馴れた俺も俺だが。

双葉の皮を手に取る。
腰から頭の中程までバックリと開いており中を覗くと何処までも吸い込まれそうな深い黒が広がっていた。

恐る恐る脚を入れてみる、中は少ししっとりとしていてモッチリとした弾力を感じる。
皮よりも明らかに大きな足、ピッチリ密着しているにも関わらずその伸縮性からかスルスルと入っていく。

「うわぁ…」

「そんな引かなくても良いじゃん。」

「いやぁ、気味悪くてさぁ。」

「焦れったいなぁ、ほら!さっさと着た着た!」

「ちょっ!力強ッ!!!」

そう言うと双葉は俺の身体をグイグイと皮に押し込んでくる。
おかしい、双葉にこんな腕力は無いはず。
身体能力も俺と同じになってるのか?

腹回りは括れがキュッと締め上げてくる、ゴツゴツしていた腕や肩幅は華奢になり、胸にはズッシリとした重みが。

と言うか何でもコイツはこんなにノリノリなんだ。

「後は顔だけだね~ そおいっ!」

「やめッ! んっぷ」

最後の仕上げと言わんばかりに顔の皮を被せてくる。
若干の息苦しさを感じた後、視界が明瞭になった。

「オイッ!ふざけん…な……えぁ?」

「おぉー!私の声だぁ!」

漏れ出た声はカン高く、脳に響く。

「あー あぁー、うわぁ…違和感がやばいな…これ。」

違和感は声だけではない。
低くなった視線、
自然と内股になり、モノが無くなって寂しくなった股関、
肩にズッシリかかる重み、プルプル震える胸、
髪が伸びたせいか重くなった頭、
外皮を覆われているにも関わらずしっかりと五感を感じられた。

だが、それだけではなかった。
"中"の感覚がある。
ふた回りは小さい双葉の身体に押し込められている窮屈な感覚、
この皮が身体全体を締め付けている。
それに加えて股間にも"ある"
内側でミチミチと締め付けられる感覚と外側のスースーとした虚しい感覚の2つ、
とても座りが悪い。

「なぁ、もう戻らないか?」

「…うーん、もうチョット楽しみたいんだけどなぁ。
私の姿で清彦してるの結構面白いし。」

そう言って俺の回りをグルグルしながら観察している。
…せめて下を履け。

「だからどうなってんだよお前の感性は…」

そうやって双葉と駄弁っていると。

ガチャ

「ただいまー!
もしかして双葉ちゃん来てるの?」

母さんが帰ってきた。

「えっ?もう帰ってきたの?」

「ヤバいって、早く服着ろ!」

ジャージを羽織ってはいるもののお互いにあられもない姿をしている。
こんな所を見られたらあらぬ誤解が生まれて…
まて、

「双葉!これどうやって着たらいい?」

女物の下着の着け方なんて知らない。

「あーもう!時間無いから前だけ閉めといて。」

何とかジャージの前を締め、ズボンを直履きし下着を鞄に突っ込んだところで

ガラガラ

「もぅ、居るんだったら返事くらいしても良いんじゃない?」

「アハハー…ちょっと野暮用で。」

「…おじゃましてます。」

「あら、双葉ちゃんも来てたの?」

少しの間、部屋には雨音だけが響く。
ドスッと双葉に軽く肘を当てられた。

………って!俺か

「っあ!はい!雨宿りを…」

「まだ雨強いものねぇ。送ってあげましょうか?」

どうする?
今すぐにでも元の身体に戻りたいが…
双葉の方を見る。

あいつにしては珍しい困った表情をしていたがやがて口を開いた。

「……送ってもらいなさッン゛んっ
…送ってもらえよ。」

どうやらこのままやり過ごす気らしい。
…まだ整理出来てないし乗っかっとくか。

「…ハァ-
……まだ止みそうに無いのでお願いしても良いですか?」

「えぇ、そう言うわけだから清彦、またちょっと出るわね。」

「あぁ、わかったおばッんぅ
…母さん。」

……あいつ1人にして大丈夫かなぁ?

───

「それじゃあね、風邪をひかないようにね。」

「アハハー…ありがとうございましたぁ。」

ブロロロ

「………さーてどうすっかな。」

双葉の家に着いたは良いものの上手くやり過ごせる気がしない。
だがやるしかない。

「……ただいまー。」

「おかえりなさい。遅かったけど大丈夫だった?」

双葉の母が出迎えてくれた。
何とかボロを出さないようにしないと…

「…清彦くんのお母さんに送ってもらったから大丈夫だよ、かぁ…ママ。」

「そうなの?後でお礼しないと…何だか元気無さそうだけど大丈夫?」

うっ!
早速突っ込まれたな。

「大丈夫大丈夫!それよりおッ…私お腹へっちやった。」

「それなら良いけど、もう少し時間がかかるから待っててね。」

「はーい!」

大丈夫、ちょっとテンション上げた感じで行けば何とかなる。

俺はちゃんと双葉を演じられている。

ギユゥゥーッ

「───ンッッ!?」

突然、強く締め付けられる感覚に襲われる。
一瞬、ギリギリ痛みを感じない位の強い刺激が全身に走り、思わず力が抜けてしまった。

「大丈夫!?やっぱり体調悪いんじゃないの?」

「んぅ…大丈夫だって………部屋に戻るね。」

おばさんの不安げな視線を背に受けながらヨロヨロとした足取りで部屋に入る。

あれは何だったのだろうか?
脈絡無く襲ってきた、皮を着た時の締め付けを強くしたような刺激。
何が原因なのかわからない。

だが今はそんなことよりも服を着替えたかった。
元の身体なら我慢できなくは無かったがこの身体は繊細でザラザラとしたジャージの荒い生地が肌に擦れるのが気になり、少し痛みさえ感じるようになった。
特に乳首の部分が顕著でこそばゆくさえある。

「……あぁ、本当に双葉の身体なんンッッ──────!!!」

まただ、
ただでさえ敏感になった素肌の感覚に振り回されているのに、一回りは小さい双葉の身体がギチギチと締め付けてくる。

このままだと駄目だ、早く脱がないと。
ジャージのジッパーを引きずり下ろす。

バルンッ

目に飛び込んで来るのは圧倒的な質量を持つ乳房。
サイズなんか知るわけないがジャージの上からでもわかるほど大きなそれ。
荒い生地に擦られ続けたため白かった肌は少し紅くなってヒリヒリしている。
特にその先端にある2つの蕾は紅く、その刺激に反応してピンっと上を向いていた。

「………なんか、罪悪感が凄いな。
…双葉のくせに。」

腐れ縁の仲ではあるが裸なんて10年以上は見てないし記憶もおぼろ気だ。
あの頃からすっかり成長した双葉の身体…意識してる幼馴染みの…

「あー!やめやめ!!!
さっさと着替えよう。」

煩悩を払うように声を出し下着を探す。
タンスを片っ端から開け、ブラジャーを手に取った。

「これを…着るのか。」

灰色のシンプルなデザインのそれ。
淡いピンクやブルーのやつもあったが流石に手に取るのは躊躇われた。

「…っん、クッ!…これで良いのか?」

四苦八苦しながらも何とか身に付けたが何と言うか、違和感が凄い。

本来自分には無い、柔らかくズッシリとした質量の肉塊。
肌触りの良い生地に包まれたそれは深い谷間を作り、ミチッとたわんでいる。

今までに経験したことの無い感覚に慣れないと言うか、座りが悪いと言うか…

「……これで…合ってるのか?正解がわからん
…まぁ今は俺が双葉なんだしッ!?ッアぁあ─────ッうぁ!!!」

ギギュュゥウ───ギチッキチッ

今までの比になら無い激しい締め付け。
特に股関が、イチモツが強く締め付けられる。

双葉のむっちりとした、滑らかな皮膚に包まれ、スリスリと焦らされ続けたイチモツ。
一際強い締め付けは亀頭を逃げ場無く擦りあげ

ビュルルッ トプッ

あっという間に達した。
グツグツと煮える様な熱が双葉の内側にぶちまけられ、下腹部にじんわりと漏れ広がっていく。
「はぁーっ はっぁーっ はぁっう…んぅ…っ」

何とかしようにもこの皮の内側に干渉する手段は無く、余りにも気味の悪い感覚に腰を震わせ、溢れ出る精液を双葉の中に塗り広げる事しか出来なかった。

しばらく放心していると股関のベタベタとした不快感が消え、再び滑らかな皮膚に包まれている事に気付く。
…もしかしてこの皮が吸収してしまったのだろうか。

双葉の身体にぶちまけてしまった罪悪感に背筋が凍る。

「……なんでだ?…何が原因だ?」

俺の家や車の中では締め付けられる事は無かった。
双葉の家に来てから始まったのは間違いない。
…時間経過か、それとも何か条件があるのか。

「…確か……最初はおばさんと話してた時。」

上手く双葉を演じようとして安堵した瞬間に襲いかかってきた。

「次は………双葉の身体を見た時。」

服を脱いでこの身体を確認した時、更に締め付けは強くなった。

「そんで最後は…何だ?………何て言ったっけ?」

下着を身につけた時、罪悪感から目を剃らすために俺が口にしたのは

「…今は俺が、双葉っ───んンッ!!!」

四度目の締め付け。
既に吐き出した後で、ある程度覚悟はしていたから達する事は無かったが、女子の柔らかい肌に全身を揉みくちゃにされる感覚は未だ慣れない。

「っふぅー…そうか、
俺が双葉だと自覚する度に締め付けてくるのか。」

最初は双葉に成りきろうと演技した時。
次はこの身体が双葉のものであると自覚した時。
そして三度目は罪悪感から目を反らそうとして自分が双葉であると声に出してしまった時。

俺が双葉であろうとする程、この身体が双葉のものであると自覚する程、この皮はより馴染ませるように締め付けてくるのか。

「明日からどうしろってんだよ…」

明日も普通に学校がある。
あいつの友達に囲まれて衆目に晒されながら双葉を演じるとなるとどうなるかわかった物じゃない。

…いっそのことサボってしまおうか。

「っはぁー………飯食って寝よ。」

今日はもう疲れた。
明日の事は明日の俺に任せよう。

───
「あ゛ぁあ───」

早朝の教室、俺は机にうつ伏せになりながら双葉にあるまじきため息を漏らしていた。

ムニュゥ

乳房が上半身と机に押し潰され息苦しいが起き上がる気力さえ無い。

双葉の部屋で起き、双葉の家族と朝食を食べ、双葉の制服を着て、双葉の友達に話しかけられ、双葉の席に着いた。

ずっと、ずぅっーと周りが俺を双葉として扱ってくる。
どうしたって今の俺は双葉である事を自覚させられ、その度に俺を包むこの皮はギチギチと締め付けてきて。

皮の中ではダラダラと垂れ流される我慢汁を纏った艶やかな肌がスリスリと陰茎を撫で回し、時折きゅうっと玉を、亀頭を締め上げてくる。
朝から痛くなる程勃ちっぱなしだ。

「双葉ー 大丈夫なの?
今日はもう休んだ方が良いんじゃない?」

ビクッ ピクッ

「ッ!?…ンッうんっ……アハハぁ
ちょっと寝不足気味でさぁ…大丈夫…大丈夫。」

堪えるために、言い聞かせる様に返事をした。

「…そうは見えないけどねぇ。
まぁ悪化する様なら言いってよ、双葉。」

タラッ

「───ッァ………大丈夫…だから。
ンッウ…ありがとね。」

怪訝な様子のまま双葉の友達は去っていく。
正直誤魔化せていないのは解っているが強がるしか無かった。

「おはよー、きyッンン…双葉。
…元気無いな?」

昨日の今日だと言うのに奴は呑気に話しかけてきた。

「……あぁ、清彦は大丈夫なの?」

「…何が?むしろ調子良いけど?」

「そうかよ。
なぁ、あの入浴剤まだある…の?」

早く元の体に戻りたかったが、背中の割れ目はいつの間にか消えていた。
現状、双葉の言っていたあの入浴剤が一番怪しく、脱ぐ手段がそれしかない。

「あー あの後少し探したんだけど見つからなくて…放課後探しに行こうか。
それじゃまた後で。」

双葉の明るい雰囲気を纏った俺の後ろ姿を見送る。
本当に元気そうだな。
…こっちは今も揉みくちゃにされてるってのに。

「…早く戻りてぇ。」

───

カッカッ カツッ

「…であるからして、この文章の意図は…」

カリカリカリ パラッ

あれからしばらく経ち今は3限目。
クラスメイトの意識は授業に向いており話しかけられて意識する事も無く今は落ち着いている。

まぁノートを取るために下を向くからブレザーを押し上げる双峰や頬をくすぐる髪の毛が視界にちらついて意識する事もある。
だが堪えられない程じゃない。

後は休み時間を乗りきれば…

「今日は22日か、
じゃあ出席番号22番の双葉さん、
38ページの和歌から39ページまで読んでくれる?」

………

「……双葉!呼ばれてるよ!!!」

…え?

「…あっ!ハイ!」

あぁ…そうか、俺だった。

ガタッと勢い良く立ち上がり、ワンテンポ遅れてタプンッと豊満な乳房がついてきた。
先生の、クラスメイトの1/3程の視線が俺に向けられているのがわかる。

双葉の音読を聞くために
双葉に注目が集まる。
俺が見られている。

ギチッ ムギュッ

「ぁあぅ…はぅ、
ほっほととぎす、…くっ雲居?のよそに音をぉぞなっ鳴くと…おおせければ、
たっ玉水?とりあへず…」

漏れでる声はか細く、到底男の物では無い。
俺が話してる筈なのに双葉の声だけが教室に響く。

ピチッ ビシッ

「…っふぅ、深きおもひの、たぁっぐいなる、らむ……」

視線を感じる、音読を聴くふりをして、俺の胸を見ているのがわかる。
その少しばかり熱を持った視線は特に男の物で、その中には俺の友人も居て。
隠しきれていない欲望が俺の、双葉の身体を射抜いて…

ギュッゥウウ

「───────あっあぁ♡」

今まではグリグリと揉まれる様だったが、それとは違う痛みの無い、まるで包み込まれる様な、抱き締められる様な甘美な締め付け。

そして本来男の俺には向けられる事の無い、双葉に向けられる筈の劣情。
気持ち悪い筈なのに、その視線は俺が双葉であると言う証明で、全身を包む温もりが心地よくて。

グチュ

皮の中で燻っていた熱が外に漏れだし、女のそれに書き換えられる。
存在しない筈の内蔵がキュウッと縮み上がって、胸の頂点にある蕾は痛い程イキり立ち、柔らかな布地を押し上げる。

未知の感覚に脱力し、立っていられない。
薄皮一枚剥けてしまったかのように肌が熱を帯び敏感になっている。

「おい、大丈夫か!?…誰か保健室に!」

「ーはいっ! 俺が付き添います。
多分昨日の雨に降られたせいだと思うんで。」

「清彦か、頼んで良いか?。
…では続きは出席番号23番の──」

何だかガヤガヤと騒がしい。
けど茹だった頭には何も入ってこない。

「っひゃう♡」

不意に身体を抱き寄せられて、その衝撃で全身の皮が擦れて、引っ張られて。

ビュルルッ ビィユッ トプッ

朝から滾ってた疼きは噴火の如く決壊した。
…皆の見てる前で達してしまった事に羞恥を覚え、既に茹だっていた頭が沸騰する。

下腹部にぶちまけられた熱は新たに自覚した臓器、子宮と混ざり合い、蜜の様な甘ったるい物に変換されジュワッと漏れだす。

「………清彦、早退しよっか?」

「っんぅ♡…あぁ…ぁ」

双葉だけはそれを察していた。
その眼差しにはさっき向けられた物と同じ様な熱がこもっていた。

───
「ほら!清彦ん家着いたよ。」

「……ぁあ…ありがとう。」

今の俺より頭一つは高い俺の身体に支えられながら帰宅した。

あれから締め付けや快感の波は引いてきたものの、未知の感覚に狂わされ、脱力しきった身体では歩く事すらままならなかった。

「じゃあ清彦はベッドで休んでて、
飲み物持ってくるから。」

「…ああ、すまん。」

双葉を見送りベッドに身体を投げ出す。

ブルンッ ズシッ

仰向けに寝そべればずっしりとした重量が肺を圧迫する。
呼吸に合わせてフルフル震えているのが視界の端に見える。

昨日からこいつにずっと振り回されていた。
何もせずとも震え、肩にズシッとかかる重みは常に女の体である事を知らしめてくる。

更には男の視線を集めてしまい学校ではあんな事になってしまった。

「…昨日は悪いことしたなぁ。」

じっとりした、嘗め回すような視線、俺もあれを向けていたのだと思うと申し訳なくなる。

スリ スリスリ

あの視線を思いだし無意識の内に内股を擦り合わせていた。
普段こんな所まで足が剥き出しになる事何て無い、スカートの中で絡まる太ももはムニムニとたわんで心地よい。

太ももが密着し、股間には何もなく女の身体なのだと改めて自覚させられる。

ギィュッウッ ギチッ

「───ッぁあぅ♡………ッフゥー…んっ。」

もう、今日何度目かも覚えてない絶頂。
皮の内側は砂糖に漬け込まれたかのように甘く溶けきっていて身体の輪郭がぼやけている。

それに反して外の、双葉の身体の感覚はどんどん鮮明になっていて。
今や双葉の身体の刺激が堪えきれずに感じてしまっている。

グチョ グチッ

「…あふぅ…っぉ♡」

擦り合わせた太ももからは水音が漏れだした。
皮の中じゃない、双葉の身体が熱を帯びていて、双葉の身体で感じていると言う事実に更に身体が昂っている。

もどかしくて、切なくて、恐る恐る秘所に手を伸ばし、スカートの上から押さえつける。

ガチャ

「とりあえずスポドリ持ってき…た…よ?
………ふーん?」

最悪のタイミングで双葉が帰ってきた。

「んぅっ♡…双葉……ちょっと…体調が。」

「誤魔化さなくて良いよ、私の身体だからどんな状態かわかるし。
…それにさぁ、匂い 気づいてないの?」

てっきり怒るものかと思っていたがあいつはニヤニヤしながら話しかけてくる。
…やっぱりムカつくなぁ、あいつの表情。

「…その顔やめろ…ひぅっ
……匂い?」

「そうそう、股グチョグチョなのまるわかり。
帰り道でもまぁまぁヤバかったけど今スゴイいことになってるし。」

「…っふぅ…そんなにか?」

「そんなにだよ、清彦の部屋が私の匂いに上書きされてるしさぁ…
てか何でそんなに興奮してるの?」

「…言わなきゃ駄目か?」

「…まぁ気になるし。」

「うぁ…ぅぅ……恥ずかしいんだが。」

「…もう十分恥ずかしいでしょ。」

………余りにも直球な物言いに上気した顔が更に熱くなる。
あいつの顔を見ていられなくなる。

「…おまえの皮がキツいんだよ、
…ぁぅ…特に、こ…股関の部分が。」

「…?
それだけにしては乱れ過ぎじゃない?」

「…お前の肌がずっと股間をなで回してきて…みんなの視線が辛くて……それにお前の身体が反応して…んっぅ!」

…何を言ってるんだ俺は。

「ふーん…私の身体で感じてるんだ?
………嬉しいな。」

…は?

「…えっ?…なんで?」

「だって私の身体、意識してくれてるんでしょ?
今まで見るだけで全然だったし。」

確かに双葉のガードは緩かった様に思う。
ただそれは幼馴染みの距離感の延長線上の物であって…

「昨日だって勇気出したんだよ?
…いつになく視線が熱かったし、お風呂の後で…なんて考えてたし。
あんなことになったけど。」

「………」

流石にここまで言われて解らない奴は居ないだろう。
…何時もの双葉じゃない、
熱を帯び少し潤んだ瞳、俺の知らない表情。

「だから…思ってたのとは違うけど。
私の身体でこんなに乱れてくれるのを見て、だから…さ。」

「っんふぅ♡ふた…ば?」

さわっ

ツッゥー ………ビクッ

太ももに手を当て、内股、その奥へと進んでくる。
それだけでゾクゾクとした、微弱な電流が背筋を伝い身をよじる。
そのままスカートの中に入り、ショーツを脱がされた。

「グッチョグチョじゃん、すっご。
…これなら指は問題ないね。」

「…なに…を?…ぁうう♡」

「さっき清彦がやろうとしてた事だけど?」

グチッ

重い水音と共に双葉の指が中に侵入してきた。

「──────!?っああぁ♡」

「熱っ…もうトロトロじゃん。
2本位はいけそうだね?」

ゆっくりと、円を描くように蜜壺の入り口を撫で回す。
侵入を歓迎しするように蜜は溢れだし、指先は膣壁を押し広げながらどんどん奥へと進んでいく。

快感を逃がそうと腰をくねらせるが太ももをがっちりと押さえつけられ、逃れる事が出来ない。

甘い痺れが腰から背筋を支配する。
男の方はとっくに達していて感覚が鈍くなる程なのに双葉の身体は未だ達することが出来ないでいる。

「うわっ指に吸い付いてくる。
…気持ちいいでしょ?気持ち良すぎて辛いよね?
……イこっか?」

「やぁッ♡やめっおっ─────────ぁあ♡ぅぁあぁ♡」

グニュッ グリッ グリッ

そこを、包皮がめくれプクプクと勃起した淫核を押し潰された途端、甘く鈍い疼きが、鋭く全身を突き刺す快楽へと変化する。
余りにも激しい刺激を和らげようと、ピンっと足筋を伸ばすが、意味を成さず脳天に叩き込まれる。

「おぅっ♡はー♡はぅっ♡」

プシュ ピユッ

「おぉー、潮噴く時の私ってこんな顔なんだ…」

双葉が俺の痴態を楽しそうに見ている。
再び羞恥心が込み上げてきて腕で顔を覆おうとしたが…

「だーめ!もっと良く見せて?」

「~やぁあぁ見るなぁ♡」

腕を組み伏せられて隠すことが出来ない。
まじまじと俺の顔を観察し始めた。

「…ふふっ 清彦可愛い、すっごいとろけてる。」

「───ッ!?ぅうぁぅ~~~///」

快楽の余韻が羞恥と混ざりあり、ジャムを煮詰めた様な甘さと熱が脳を支配する。
甘い余韻に身を任せ脱力しきっていたら双葉が俺の服を脱がし始めた。

「あー!適当にブラ着たでしょ?
カップから溢れてるじゃん!」

「…ひゅー♡……んぅ♡
………仕方…ねぇ…だろ。…わかるか。」

「…まぁ後で教えてあげる、今は脱ごうね。ばんざーい。」

ブルンッ ダプッ

ブラを剥ぎ取られ双葉の爆乳がまろびでる。
仰向けになっているにも関わらずブルブルと震える双峰の頂点にはプクッと膨れた桜色の蕾。

「どう?身体には結構自信あるんだ~。」

「…自分にあると鬱陶しいな。」

「けど見る分には良かったでしょ?」

「………」

「ふふっ…でもね、清彦に見られるのは嬉しかったよ?」

何時もの様にからかうような、そしてどこかしっとりとした口調でそんな事を言う。

「…そんな事…言ってたな。
……嬉しいって。」

「うん、清彦にはそういう風に見て欲しかったから。
…こう言う時に言うのも何だけどさ、清彦の事が好きなの。
そう思うくらいに…清彦に包まれて嬉しいと思うくらいに。」

「そう、だったのか。」

「…清彦はどうなの?…その…私の事は…」

あまり見ること無い、目を伏せた、双葉の自信なさげな表情。
今日は双葉の珍しい表情を良く見る。

「…今日は双葉の身体に散々振り回された。
……力が弱くなったし、何か敏感だし、この胸は鬱陶しいし、締め付けはキツいし。」

「…最後は私のせいじゃない。」

「…でも嫌じゃなかった。」

「っえ?」

「慣れないし、不便だけど…双葉の見てる視点や感じ方、知れて楽しかった。
…双葉に包まれるのは刺激が強かったけど…意識してる人の身体になるのは…その…気持ち良かったよ。」

「…意識…してたんだ、そう…なんだ。」

「うん、だから…さ。俺も好きだよ双葉。」

「えへへ、嬉しいな。
…両思いってことで良いんだよね?」

俺の返事を、これから始まる幸福を疑わない、期待に満ちた表情。
…それは双葉の顔で見たかったなぁ
まぁ可愛いが。

「あぁ 付き合おうか、俺たち。」

「うんっ!
…けどさぁ、この場合どっちが彼氏?彼女?」

「あぁー……戻るまで保留で…」

「もう言ってる様なもんじゃん。
…じゃあ今は清彦が私の彼女って事で。」

俺としては双葉を愛でたいんだが、仕方ないか。
それに双葉の身体で感じる幸せも悪くない。

ふにゅっ

「ひぁっ♡双葉?」

双葉が背面から俺の身体を抱き上げ、たっぷりと実った乳肉を持ち上げる。

「さっきのつ · づ · き♡
清彦には今の内に私の気持ちいいとこ沢山知って貰わないとね?」

支えるように乳房の付け根に手を添え、下から掬い上げる様に揉み始める。
少しごつごつとした指先が乳肉に沈む度、肌は赤らんでいき、乳房は張っていく。
乳輪の輪郭をなぞられると、限界まで勃起した乳首はピクピクともどかしそうに震える。

「…ぅぁ♡…ひぅ♡ちくびっおかしくなるぅ♡」

「すごいでしょ?こうやってじっくり触ってあげるとね、乳首にどんどん気持ちいいのが溜まっていくの。」

痛いほど敏感になった乳首は漏れでる吐息にすら反応し、ピリピリと痺れる。
それが乳肉に馴染んでおっぱい全体が気持ち良くなっていく。

「もうちょっと続けようねー、ほら下がお留守だよ?」

「ふぁ♡んぅん♡」

ツッゥー スリッ スリ

横乳から脇腹、お腹、鼠径部を辿って太ももを撫でる。
双葉の手は身体に沿って曲線をなぞり女の体つきで有ることを自覚させられる。

腰周りを触れられれば下腹部の奥底にある子宮が収斂し、愛液と共にドロドロとした熱を垂れ流す。

全身が敏感になって、耳元をくすぐる双葉の吐息にすら反応してしまう。

感じすぎて辛い。
ずっと焦らされたせいか、通じあった思い人に触れられているせいか。
その一挙手一投足に身体は反応し、快感は逃場を失い木霊する。

「…ビクビク震えてて可愛い。
私より感じてるんじゃない?」

「はー♡んぅふ♡
ふたばっ…もう辛いからぁ♡さわってぇ♡」

「おねだり出来てえらいね、じゃあ、イこっか?」

グリュッ グリッ

「あっ♡あぁ!?─────────♡んぅあっあうっ♡…お゛お゛っ♡」

グリグリと乳輪ごと両乳首が押し潰される。
親指と中指に挟まれ、人差し指にクリクリ頂点を弄られるとその小さな肉蕾は、神経を焼ききる様な、激しい熱を生み、快感の濁流となる。

男の時とは違う深く沈むような感覚に何処までも満たされていく。

ビクッ ピクッ

「…ふぁ♡はぅー♡…ッ♡」

チカチカと瞬く視界が色を取り戻し、意識が浮上する度、おっぱいが、肉芽が、双葉に触れられた場所が気持ち良くなってる事を自覚し、甘イキを繰り返す。

ピクピクと痙攣し、強ばっていた身体はすっかり脱力しきって双葉に身体を預けていた。

───

「ほら、ゆっくり飲んでね。」

こくっこくっ ゴクンッ

「…フゥー♡んぅう。
気持ち…良すぎる……双葉の身体。」

「おっぱいだけでいっぱいイけたねー。
…じゃあ、清彦はこのまま休んでて、」

「…双葉、我慢しなくても良いんだぞ?」

「…何のこと?」

少し腰を浮かせて押し付けてやる

「あぅっ!」

「…腰に当たってるんだよ。」

ガチガチに勃起したイチモツ。
それが俺の腰と双葉の下腹部に挟まれ熱くそそり立っている。

「あははー
…清彦を気持ち良くするのに夢中で気づいてなかったなぁ。」

「…してやろうか?双葉が良ければ。」

「大丈夫?もう2回も深イキしてるでしょ。
…体力的にキツくない?」

俺を案ずる言葉をかけてくれるが、滾る劣情が漏れ出ている。

「俺にもかっこ付けさせてくれよ、
それに、俺も気持ちいい所知って欲しいしな。」

「…頼める?…自覚したらキツくなってきた。」

振り返ると顔を上気させ、浅く呼吸する双葉の姿があった。

男の欲求から逃れるためか少し腰を浮かせている。
しかしそんなもので治まらない事を俺は知っている。

「…じゃあ、脱ぐね。」

ベルトに手をかけジッパーをずらしていく。

バルンッ

見慣れていたはずの俺のちんこ。
だが、距離が近いからなのか正面から見ているせいか、普段より一回り大きく見える。

稲穂のように重たくカリ首をもたげる男根。
ビクビクと脈打つ剛直の頂点にはダラダラと我慢汁を垂れ流す亀頭。

熱く滾る血流が集まり、痛い程に勃起してるのが見て解る。

「…触るぞ?」

ピトッ サワッ ツッー

脈打つ肉棒に触れる。
付け根の辺りから肉棒の裏スジを少し力を入れて擦る。

「…おっ…くぅ♡
スッゴいゾクゾクするぅ♡
細くて、スベスベして、気持ちいい♡」

実際に触れるととても温かい。
双葉の一回り小さな掌では何時ものように扱えないが感じてくれているらしい。

「そりゃ良かった。
じゃぁこんなのはどうだ?」

玉袋を揉んでやる。

「…なんか、ウズウズすると言うか、もどかしくなってきた。」

「予想通りの感じ方してくれるの何か楽しいな。」

「…んぅ…あっ♡でしょ?
清彦反応良いからついついやっちゃって。
…はっ…フゥゥー♡きよひこ、辛くなってきたから…」

「わかった、
俺の一番気持ち良いとこ、感じてくれ。」

亀頭はヌラヌラと汁を垂れ流し、男根を掴んでいる俺の手に纏わりついている。
まずはカリの部分を指で甘やかしてやる。
そしてだんだんと鈴口に向かってしごいていくと。

「ぉっ゛うっぅ゛くるっ!くるっ!!!」

ビュルッ ビュル トプッ

「なに…これぇ…解放感がすごい…」

「沢山出たなぁ、まだビクビクしてる。」

初めての快感に放心している双葉。
出した筈なのに未だ熱は衰えず手の中で滾り、パンパンに充血していた。

「まだ辛いか?…もう一発やっとくか。」

指先を踊らせ、再びしごこうとした時

「…ねえ、清彦。
…私の処女……貰ってくれないかな?」

「……はい?」

「男の…ふぅ、性欲ってスゴいね…
まだムラムラ沸いて来て、正直…私の身体なのに押し倒したくてしょうがない。」

「…双葉は…いいのか?」

俺が双葉の身体で乱れていた様に、未知の衝動に押し流されそうになっている双葉。
そしてそれを受け入れたいと思っている自分がいた。

「…どのみち清彦にあげたかったし、押し付けるみたいで悪いけど…貰ってくれると嬉しいな?」

「…いいよ、俺に双葉の初めてをくれ。
代わりに俺の初めてを貰ってくれ…釣り合うか分からないが。」

「…ううん、嬉しい。
じゃあ、ちょっと解そうか。」

ふにっ

「んぅっ!」

ふっくらと柔らかくなった大陰唇を摘ままれ、フニフニと擦り合わされる。
左右の肉ヒダが擦れ合い、分泌された愛液が白く泡立ち蜜壺から溢れた。

グニュ グリンッ

あっという間に指が2つ侵入し、双葉のそれを受け入れるためにじっくりと掻き回され、解されていく。

そのまましばらく、ねっとり、じっくりと膣壁を撫でられ、時折おっぱいを揉まれてビクビク震える身体、きゅうっと収斂する子宮。

既に準備万端になっているのに双葉は指を止めてくれない。

「あぁ♡…んぅ♡ふたばぁ…もう、大丈夫だからぁ♡」

「だーめ!清彦には痛みの無い最高の処女体験させてあげるの!!!
…ほら、こことかまだ触ってなかったでしょ?」

「んっうぅ゛♡なぁ!?」

にゅるんっと第二関節まで指が侵入し、上側…お腹側の膣壁を撫でられればグズグズと痺れる様な快感が溢れ出す。

「ここ、このザラザラしたとこ気持ち良いでしょ?
Gスポットって言ってね…あれ?軽くイった?」

ピクンッ ピクンッと身体を跳ね回る電流。
双葉の手淫で腰はもうトロトロに蕩けている。

「もぅ…ふぁ♡
感じすぎて、キツイから…早く……楽にしてくれ…。」

「わかった、じゃあ…いくね?」

ツプゥ ニュプッ ニュル

ブチッ

「お゛ぁッ!!!っんぅ…ふぅー♡ふぅー♡」

ガチガチにイキり勃った剛直がふやけた膣壁を押し広げ、メリメリと処女膜を突き抜けた。

僅かな痛みとそれ以上の幸福が、双葉に満たされている感覚に快感を覚える。

そして指が届かなかった場所へ、ずっと触られず、もどかしく疼いていた子宮口に辿り着く。

チュプッ

「うぅっ♡ぁあっ!!!
私の身体なのにピクピクして、暖かくてヤバい、気持ちいい。
…清彦大丈夫?痛くない?ちょっとガマン出来そうにないんだけど。」

「んっう♡うんっ!
………大丈夫、もう痛くない。
我慢…しなくて良いから、きて?」

ニュプッ ニチッ ニチュッ

最初は恐る恐るだったものの未知の感覚に慣れてきたのか徐々にスピードが上がっていくストローク。

カリが脈打つヒダを擦りあげ、亀頭が子宮口を押し上げる度、身体の芯を貫かれたと錯覚する程の衝撃が全身に響く。

ただ激しいだけじゃない。
いつの間にかお互いに腕を回していて、双葉に力強く抱き寄せられていた。

双葉に包まれる幸せに、俺の中はドロドロに溶けきって、もう何処でイってるのか解らない。
全身が気持ちいい。
いつの間にか俺の感覚は無くなっていて双葉の感覚に満たされていた。

締め付けはもう無い。
今まで皮膚一枚越しに感じていた双葉の身体を直接感じる事ができる。

双葉に包まれ、双葉に抱かれ、幸せすぎてどうにかなってしまいそうだ。

「うっぁあ♡清彦!!!くるっ♡きちゃう♡」

「あっ ぁあ♡ いぃっ きてっ! きてっ!」

双葉も限界が来たようで一際強く震えている。
双葉に抱き締められ俺も思わず抱き締め返す。
身体が密着し、熱く、固く滾る肉棒が俺の奥深くまで突き上げたその時、

ビュルルルッ ドプッ ドプッ

「──────ぉお゛っ♡ かっひゅっ♡」

「っはぁ♡ はぁー はぁー
…ふぅー♡」

熱い、熱いマグマの様な欲情が叩きつけられ、子宮を満たしていく。
今までの比にならない内蔵の奥深くまで蹂躙する快楽。

既に限界だった体力ではその全てを受け止める事が出来ず、痙攣する事もままならず脱力し、余りの衝撃に視界がチカチカと明滅していた。

それでも双葉が強く、優しく抱き締めてくれていて。
内も外も双葉に満たされ、蕩けきった俺の意識は幸せに包まれながら沈んでいった。

「ふふっ…清彦、おやすみ。」

───

「すぅー………すぅー………んぅ♡」

「清彦、可愛かったなあ。
…私の身体の筈なのにね?」

清彦の寝顔を眺めながら一人ごちる。
普段の清彦も可愛いとこが有ったけど私の身体になって素直になったのか何時もより5割り増しで可愛く見える。

「…けど無理させちゃったかなぁ?」

それでもあんな乱れた姿を見させられてはこちらもガマン出来なかった。
女のそれとは違うドクドクと溢れる男の欲情に支配されそうになって結局ヤるとこまでヤってしまった。

「…安全日だし大丈夫だよね?
精子は全部掻き出したし………」

コンドームを着ける間もなく身体を重ね、中出ししてしまった。

「後でアフターピル飲んでもらうしか無いかぁ。」

最悪出来てしまったら責任を取るしかない。
こんな状況になってしまったのは私のせいだから。

きっかけは今月初め位に投函された入浴剤の試供品。
謳い文句には、

「"気になるあの人と一緒に入ればもっと距離が近くなる"?
………一緒にお風呂入れる時点で近いでしょ。」

何とも本末転倒な謳い文句だったが、当時清彦の事で思い悩んでいた私はお守り感覚で鞄に忍ばせていた。

清彦、私の幼馴染みで思い人。
昔っから何かと気にかけていてくれて、それでいて下心が無かった。

中学生辺りからすくすくと育った私のおっぱいに時たま目が行ってるのは知っていたがそれでもジットリと気味の悪い視線を送ることは無かったし私の身体目当てに何かを言ってくる事も無かった。

むしろそう言う奴らを牽制してくれた。

それに何だかんだ私のやりたい事に付き合ってくれるしやらかした時にはフォローしてくれる。

そして、そんな清彦に何時しか惚れていた。
そして色々アプローチしてみたが全然靡かない。

距離を縮めようとしてもアイツは何時も通りの態度で私のアプローチをいなしていく。

だから藁にも縋る思いで胡散臭い入浴剤を鞄に忍ばせ続けて昨日、チャンスはやってきた。

雨に濡れた私の身体をチラチラ見る清彦、シチュエーションのお陰かその視線に僅かばかり熱がこもっていて。

そして予想通りお風呂を勧められ、今しかないと思った。
お風呂で入浴剤を使い清彦にも勧める。
多分エッチな気分になる効能が有るんだろうなと期待してたら

「…こんな事になるなんてね。」

ズルッと脱皮の様に抜け落ちた私たちの皮。
予想を遥かに越えた効能にパニックになったけどそれでも清彦は私を安心させようと宥めてくれた。

そして冷静になってこれはチャンスだと思った。
清彦が私の身体になってくれれば何か変わるんじゃないか。
流石に意識してくれるんじゃないかと思った。

何とかあの手この手で清彦を言いくるめ互いの皮を交換する事になった。

そして着た清彦の皮はとても力強く、全身を抱き締めるように包み込んで、とても心地よかった。
対する清彦はキツかったみたいであんなに乱れていたけど。

「………ふふっ、恋人かぁ。」

なんだかんだあったが私の告白を受け取ってくれて、ちょっと思ってたとの違うけど清彦に処女を捧げる事が出来て私は満足していた。
晴れて恋人になれた喜びを噛み締めながら今後の事について考える。

「…どのタイミングで打ち明けよっかなぁ。」

お互いの身体を入れ替えてしまったのは私のせいだ。
しかし解決法はある。
入浴剤は二個セットだった。
だからもう一回使えば元に戻れるけれど。

「この可愛い清彦をもうちょっと見てたいし…けど抱かれるのも気持ち良さそうだったなぁ。」

清彦を抱いてもっとこの姿を見ていたいという気持ちと私も清彦に抱かれたいと言う気持ちがひしめき合っている。

どちらも捨てがたいがまぁ、

「…調子のってたし、ヤりたい放題やったから絶対後で説教されるよねぇ。
……………その時打ち明けて謝ろっかぁ。」

あの時は流されてたけど私が調子にのって弄くり倒したからなぁ。
清彦しっかり締めて来るだろうなぁ。
まぁ隠し通せる自信も無いし、清彦に不誠実なのは嫌だしちゃんと打ち明けよう。
そして二人でどうするか決めよう。

それまでは、

「…おやすみ、清彦。」

私の腕のなかで眠る恋人を愛でる位はしても良いだろう。

静かな寝息が漏れる唇にそっと口付けをした。

あとがき
この度は当企画に参加させていただきありがとうございます。
普段書かないジャンルでしたがこの企画をきっかけに踏み出すことができました。
色々と手探りな作品ではありますがこの祭りを盛り上げる一助になれたら幸いです。
また機会が有れば他の企画にも参加したく存じますのでその時はよろしくお願いします。

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