TS癖の俺と幼馴染が入れ替わった話

まえがき
オリジナル作品は初めてです!

俺は山田晴彦。
TSFを心から愛する男だ。

同人誌も音声作品もTSモノしか買ったことないし、TS以外の作品で抜くときも俺がその女の子になっているという妄想でしている。

女体化、憑依、皮モノ、入れ替わり。

その全てが今まで俺を支えてきてくれた。

けれども、俺はこれらのものが特殊性癖だと理解している。

だからこそ、周りにバレないように隠し続けてきた。

もし知られたら、距離を置かれると思ったから。

猥談の時になればよく知らない有名な女優の名を出し、カモフラージュにNTRが好きと言ったこともあった。

人知れず、美少女になりたいという願望を抱きながら今まで生きてきた。

これからも、それは変わることはない...

はず、だった。




──────────


「あ、アンタ... ! 何よ、これ... !? 」

俺の幼馴染、中田由衣の手には隠していたはずの同人誌が握られていた。
電子版が無く、どうしても読みたかったから通販で取り寄せたモノだ。幼馴染の女の子と入れ替わり、王道ではあるが至高の内容だった。

(って、そんなこと考えてる場合じゃない! )

この幼馴染、俺に対してだけ当たりが強いのだが、他人には優しく、その容姿も相まって学校ではかなりの人気者なのだ。
そんな彼女が、俺の性癖をバラしたりなどすれば...


『えぇ〜... 山田君、こんなの好きなの? キモっ! 』

『男の癖に美少女になりたいとか... マジありえねぇわ』

『ごめん、山田。しばらく飯は別にしてくれ... 』


...なんてことになりかねんっ!!
なんとしても、阻止しなければ。

「あ、あぁ〜!! それ、友達から借りてたんだよな〜!! 明日返すから、こっち渡してくんね? 」
うむ、完璧な言い訳だ。
疑いようもない。
エロ本の貸し借りなんてよくある話(ソースはエロゲ)だし、納得してくれるだろう。

しかし、現実はそう上手くはいってくれなかった。

「ダウトよダウト! アンタ、嘘吐くとき頬を掻く癖があるんだから... 丸わかりよ、バカ」
力強くそう言うと、こちらをキッと睨みつけてくる。

なんということだ。
まさか自分にそんな癖があったとは。
腐れ縁パワー、恐るべし。

「で、その... アンタさ、こーゆーの、好きなの? 」
逃すまいと言わんばかりにじーっと俺を見つめてくる。
こうなると、もう言いくるめることはできないだろう。
俺が積み上げてきたものが崩れていくような感覚に陥る。

「ボーっとしてないで、答えなさいよ! 」
数少ない小遣いで買った同人誌をうちわのようにひらひらと仰ぐ由衣。
あくまでも俺の口から言わせる気か、性格の悪いやつめ。コイツのことを女神だのなんだの持て囃している男子共はどうかしている。

しばらく無言を貫くが、だんだんと視線に居た堪れなくなってきて、とうとう口を割ってしまった。

「...はい。好き、です... 」
沈黙が場を支配した。
恐る恐る、彼女の顔を伺う。
彼女は驚いたように目を見開いたと思えば、すぐに冷たい瞳に戻す。
そして、強く俺を睨んだと思えば、突然声を荒げた。

「ほんっと、ありえないっ!! 」
真っ赤な顔でそう言い放つと、スカートのポケットからスマホを取り出し、何やら操作をし始めた。

(まずい、このことを広める気か!? )
一刻も早く止めなければ、俺の人生が終わってしまう。
突っ立っていた足を動かし、目の前の彼女に近づく。
そして、そのままスマホに手を伸ばし、奪い取ろうとした。

その時だった。

「ちょっ、何して──── 」

掴みかかろうとした瞬間、彼女がこちらに振り向いた。
突然のことで勢いを殺すことができず、頭と頭がぶつかった。


「うっ──── 」

衝撃に耐えきれず、後ろに倒れていく。

今度は壁に後頭部を打ちつけてしまう。


そして、そのまま俺は意識を保てなくなり、気を失った。




──────────



「ん... 」
眠りから目が覚める。

なんだか、意識がまだはっきりしない。

それに、頭がズキズキする。

(いったい、どうして... )

少しずつ冴えてきた頭で思考を巡らせる。
すると、案外すぐに思い出すことができた。

(由衣と頭をぶつけた後、続けて壁にもぶつけて... それで、気絶したんだった)
だが、それにしては身体に違和感がある。

胸の辺りは重く、頬に何かが当たっている。

足元もスースーするような気がする。


それだけじゃない。

手足が縛られていて、動かすことができない。

その上、目を開けているのに視界が覆われて見えない。

「ん、んん!? 」

唇を震わせ声を出そうにも何かが張り付いていて叶わない。

しかも、今の声。
いつもと、感覚が違った。

もう一度、試してみる。

「ん、んん... 」
やはり声を出すことは不可能だが、音も普段よりだいぶ高い。
喉の感覚も、異なっている。

少なくとも、俺のものではなくなっている。

胸の重みに、頬をくすぐる何か。

スースーする足に、高い声。

これが、意味することは... まさか。


「あ、起きた!? 」

近くで、誰かの声がする。

どこかで聞いたことがあるような、男性の声だ。

「んん... ! 」

声にならない声で、訴える。

「アンタからすれば訳わかんないと思うけど、とりあえず今は私の話を聞いて! 」

必死な様子が伝わってくる。

とりあえず、黙ってうなづいた。

この男は、多分何かを知っている。

それは、間違いないはずだ。

男はわざとらしく咳払いをすると、再び口を開いた。



「単刀直入に言うわ。私──中田由衣と、アンタ──山田晴彦は、身体が入れ替わってしまったの... 」

彼の口から告げられたのは、現実味のない言葉だった。

だが、それを聞いて、俺の仮説は確信に変わった。



(やっぱり、そうだったのか... )

俺の身体の異常に、聞き覚えのある声。

前者は俺が由衣の身体になっているからで、後者は由衣が俺の声で話しているからだった。

俺たちは、頭をぶつけたことで、入れ替わったのだろう。

俺は、由衣に... 女の子の身体に、なってしまったのだ。



(う、うおおおおおおおおおおおおーーーーーーーーーーー!!!!!!!! マジか、夢じゃなくて!? いや、夢だとしても最高だ!!!!!!! )



頬に触れる繊細な髪に、すべすべの肌、風通しの良いスカート。

胸の重みと、それを締め付ける布の感覚。

股間には、何もぶら下がっていない。

マジのマジで、女の子の身体だ。

念願の、女体が... 今、俺のモノになっているのだ。

(さ、最高すぎる... !! まさか、入れ替わりが現実で起きるなんて... ! サンキュー、マイゴッド!! 俺からフローラルないい香りがする〜!! )

冴えない痩せガリオタク男子だった俺が、スタイル抜群人気者美少女になれるなんて... !



長く伸ばした明るい茶髪に、ぱっちり開いた大きな眼。

ぷるん、と潤うピンク色の唇の上には、ツンと高く小さな鼻が、横には柔らかそうな頬がある。

肩は華奢で、腕はほっそりとしており、女の子らしい小さな手の指は、細く長い。

腰はキュッとしまっていて、お尻は小ぶりだが可愛らしい。

脚はすらっとしているが、太ももは健康的な肉付きがある。


そして何より、たわわに実った胸!!

俺の見立てでは、Eカップくらいありそうだ。

(性格はともかく、身体はどストライクなんだよな〜!! 何度も何度も妄想した、由衣の身体になれるなんて... やばいっ、めちゃくちゃ興奮してきた... ! )

今すぐにでも全身を弄りたい衝動に駆られ、手を動かそうとする。

だが、ガッチリと縛られていてそれは叶わなかった。

(くそッ... 今すぐにでもこの身体を触りたいのに! )
身動きが取れないので、今の俺にはただただ鼻息を荒くさせることしか出来なかった。

「ちょっと! 私の身体で興奮しないで! 全く、事前に縛っておいて正解だったわ... 」
呆れたようにため息を吐く男... もとい、俺の身体の由衣。

やはり、俺を縛り上げた犯人は彼女だったようだ。

おそらく、俺よりだいぶ早く目が覚めたのだろう。そうでなければ、ここまでガッツリと拘束することはできない。

(折角、女の身体を手に入れたというのに... ! )
これでは、楽しむものも楽しめない。
なんとか解こうと、手と脚に力を入れてもがいてみる。

しかし、縄が外れる様子は一切ない。

「私の身体で暴れないで! 危ないでしょ!? 」
見かねた由衣は俺の肩を抑え、倒れそうになっていた身体を支えた。
俺は変わらず脱出を試みるが、やはりびくともしない。

暴れ回る俺と、抑えつける由衣。

そんな問答をしばらく繰り返していると、突然、扉が叩かれた。


「ちょっと、さっきから騒がしいわよ? 」

扉の向こうから、母さんの声が聞こえる。

どうやら俺が気を失っている間に帰ってきたようだ。

(というか... この状況、見られたらマズくないか!? )
側から見れば、俺が由衣を縛っていることになる。
明らかに誘拐、レイプ... もしくは、特殊なプレイだと思われてしまう。

とはいえ、俺は今動けないし、話せない。
叫んで訴えようとすれば、すぐに母さんは部屋に入ってくるだろう。
いずれにせよ、俺は由衣に判断を委ねるしかなかった。

「返事くらいしなさい! 10数えたら、入るわよ! 」
そんな俺たちの気も知らず、母さんは絶望へのカウントダウンを開始した。

心の中で、社会的な死を感じる。

失意に沈んでいると、隣にいた由衣が立ち上がった。

何をするかと思えば、彼女は乱暴に俺の腕を掴み、押し入れの中に放り込んだ。

(危な!? )
運良く背中側にクッションがあったので、怪我することなく着地できた。
安堵したのも束の間、押し入れの扉が閉ざされ、アイマスクの隙間から漏れていた光さえも失われてしまった。

押し入れの向こうから、ガチャ、と部屋の扉が開く音がする。

「ご、ごめんなさいおば... お、お母さん! 騒がしくしてしまいまして! 」
俺の口からカタコトの敬語が発さられている。

コイツに任せて本当に大丈夫なのだろうか。
おばさん、って言いかけてたし。

「なんで敬語... ? まあいいけれど。それより、由衣ちゃんは? もう帰っちゃったかしら」
様子が変な息子より、その幼馴染を心配するのか...
俺に対してはとことん放任主義なんだよな、母さん。
まあ、今はその方が助かると言えばそうなのだが。

「は、はい? 私は──── あっ! えっと... そう! ゆ、由衣は、帰りました!! 」
やっぱりコイツは駄目そうだ。
自分が山田晴彦であるという自覚がほとんどない。

(俺なら何度も脳内シュミレートしてきたから由衣のフリなどお手のものだというのに... ! )
ようやく今までの人生で得たTS知識を役立てる時が来たというのに、縛られていては何もできない。

この頼りない幼馴染に、全てを委ねるしかなかった。

「あらそう。一緒にご夕飯でも、と思ったのだけれど... まあ、仕方ないわね。もうご飯できてるから、さっさと来なさい」
「は、はい! 」

バタン、と扉が閉まり、二人の足音が聞こえる。

どうやら、俺の──── 中田由衣の身体の存在は、気づかれずに済んだようだ。

あとは由衣がどれだけ俺に成りすませるかにかかっているが... 不信感は持たれるだろうな、絶対。

それにしても、アイツが食べ終わるまで... 20分くらいだろうか、その間、何もできないというのも退屈だな。

(折角なら、この身体を楽しみたいが... お? )

固まった姿勢から、力を抜いてみると、胸元で少しだけ揺れを感じた。

ほんの僅かだったが、間違いない。

これは、女の子の、胸の... おっぱいの揺れだ。

ゴクリ、と唾を飲み、喉を鳴らす。

膝に力を入れ、腰を高くする。

そして、今度は力を抜いて尻を踵に当てるようにして腰を下げた。

すると、身体が勢いよく動いたことにより、ブラで抑えられてはいるが──── おっぱいが、ぷるんっ、と弾んだ。

(お、おお... ! ゆ、揺れた!! 俺の、おっぱいが... ! )

たまらず、繰り返し運動を続ける。

由衣の巨乳がばるんばるん、と揺れまくる。

その感覚が、俺にも伝わってくる。

女の子の、おっぱいが揺れる感覚を、男の俺が理解している。

鼻息を荒くさせながら、おっぱいを揺らし続ける。

(おっぱいっ♡ おっぱいっ♡ 由衣のっ、いや... 俺のおっぱいっ♡♡ 興奮で乳首硬くなってるのが、わかるっ... ♡♡♡ )

コリコリに勃起した由衣の乳首が、おっぱいを揺らすたびブラに擦れる。

そのたびに乳首から気持ちの良い刺激が子宮を経由して、脳に伝えてくる。

「んっ... ♡ 」
テープで抑えつけられた口から、可愛らしい声が漏れる。

可愛い女の子の声で、喘ぎ声を出してしまった。

おっぱいで、乳首で感じて、メスの声を上げてしまった。

(由衣の、俺の声、可愛い... ♡ 女の快感味わいながら、今の声、もっと聞きたい... !! )

激しく胸を揺らし、乳首をブラに擦り付ける。

おっぱいを揉みしだきたい、乳首をこねくり回したい、という欲求を叶えられないまま、焦らされ続けて淡い快感に身を捩る。

身体の刺激は元の男性のオナニーよりも遥かに弱いものしか与えられていないが、心は今までの人生で一番に滾っていた。

女の身体で、女の性感を味わっている。

その事実だけで、感度は何倍にも跳ね上がっていた。

(あっ、子宮が疼いてきてる... ! 由衣の身体が、俺の興奮に反応してるんだ... ♡ )

より強く子宮の疼きを感じるために、足をきゅっ、と閉じる。

太もも同士が擦れ、その柔らかさと温かさが伝わってくる。

男と違い、女の身体には干渉するモノがないので、よりダイレクトになっていた。

もじもじと太ももを擦っていると、その刺激が股を伝って子宮にまで届いてくる。

(柔らかい... ♡ 俺の太もも、女の子の太もも... ♡ すりすり擦って、気持ち良くなってる... ♡ )
おっぱいをゆさゆさ揺らしながら、すべすべの太ももを擦り続ける。

やがて、股からじわっ、と何かが漏れる感覚がしてくる。
その正体は、見るまでもなく理解できた。

そう、愛液だ。

女の身体で──── 幼馴染の、由衣の身体で、女性器を... おまんこを、濡らしているのだ。

俺の、おっぱいや、太ももに対する興奮で、由衣のおまんこは愛液を分泌したのだ。

「んぅ... ♡♡♡ 」
その事実を認識すると、ますます身体が熱くなる。

女の身体が、快感を欲しがっている。

絶頂したい、イキたい、と、俺に語りかけている。

けれども、手足を縛られて動けない俺は、おっぱいを揉むことも、乳首をコリコリすることも、おまんこを弄ることも、できなかった。

(クソッッ♡♡ 触りたいっ、触りたい触りたいっっ♡♡♡ 女の身体でっ、もっと気持ち良くなりたいのにっ♡♡ クソッ、クソクソクソッッッ♡♡♡ )
悔しさでいっぱいになりながら、身体を動かし続ける。
萎えることない興奮と、乳首と太ももの淡い女の快楽で、身体が狂いそうになる。

女の身体でイキたい、由衣の身体でイキたい、メスイキを、味わいたい... ♡

ただその一心で、身体に小さな刺激を与え続ける。

その願いが通じたのか、だんだんと身体の熱は上がっていき、感度も強くなってきた。

おっぱいを揺らして、太ももを擦り付けるだけで、由衣の身体は、絶頂しそうになっていた。

(やばいっ、やばいやばいやばいっっ♡♡♡ なんか、くるっ、来てるっっ♡♡♡ 子宮、きゅんきゅんしっぱなしで、頭おかしくなりそうっ♡♡♡♡ )

男の身体と、イク時の前兆が全く違う。

身体の外側にあるチンポに血が集まっていく、男の感覚とは打って変わって、女の身体は、身体の内側にある子宮が快感を全身に伝えている。

身体中がずっと熱くて、息もすごく荒くなっている。

全身が汗ばんで、鼻から女の子特有の匂いが伝わってくる。

塞がれてる目も、ずっとチカチカしている。

その全てが、俺が今、女の子になっていることを教えてくれている。

姿が見えなくても、俺が由衣になっていることがわかる。

由衣しか知らないはずの、由衣の身体の快感を、男の俺が享受している。

入れ替わった幼馴染の身体で、今にもメスイキしそうになっている。

夢にまで見た女の身体、女の快楽、女の絶頂。

今まさに、俺はそれを知ろうとしている。

(ああもうっ、だめっっ♡♡ イクッッ♡♡♡ 由衣っ、イクッッ♡♡♡ 由衣になって、女の身体でっ♡♡♡ イッちゃうッッッ♡♡♡♡ )

とうとう身体は限界を迎え、快感を爆発させそうになっていた、その時だった。


ガラッ、と、押し入れの扉が開く音がしたのは。



「はぁ〜...... 疲れ、た......? 」

聞き慣れた男の声が、耳に入ってくる。

由衣が、戻ってきてしまった。


(ヤ、ヤバイ...... 止めないと...... 止めなきゃいけない...... いけないのに......!)

止めなきゃいけない。

そう頭ではわかっているはずなのに、カラダを動かすのを止められない。


気持ち良すぎて、止めたくない......!


(あっ、だめっっ♡♡♡ だめえっっ♡♡♡♡ だめなのにっ─────




─────イクッッッ♡♡♡♡♡♡ )




「ンンンッッッッ♡♡♡♡♡♡ 」


溜め込まれた快感が吐き出される。

頭が真っ白になり、大きく身体を仰け反らせる。

男の射精と違って、快楽が一瞬では終わらず、数秒の間、快楽に打ちひしがれる。

ビクンッ、ビクンッ、と身体を痙攣させる。

止まらない、女の快感。

気持ちいい、女の快感。

脳がしあわせで満たされる。

(イッた... イッちゃった... ♡ しかも、由衣に見られながら、由衣の身体で... ♡ )

女の子の絶頂ってすごい。

チンポなんかと比べ物にならない。

おマンコにも、乳首にも触れてないのに、脳ミソ壊れちゃいそうなくらい気持ち良かった。

それに、一回イッたのに、まだ熱が収まらない。

次の快楽をカラダが欲しがっている。


(もっと... もっと、気持ち良くなりたい......♡ 女の子のカラダで、いっぱいイキ狂いたい......♡♡ )



イッたばかりのカラダで、再びふとももを擦ろうとする。


しかしその時、突然俺の瞳に光が差し込んだ。


(うわっ、眩しっ!)


動揺するも束の間、口に貼られていたテープを勢いよく剥がされる。

「痛たっ!?」

突然の痛みに思わず声が出る。

甲高い、女の子の声。

「え!? 今の、俺の声!? 」

俺の口から、女の子の声がする。

可愛い声だ。

喉仏がなく、すっきりとした音が喉から出ている。



それなのに、口調は俺の、男のもの。


(ホントに俺、由衣になってるんだ......♡ )


夢にまで見た、男女の入れ替わりが、俺の身に起こっている。

そのことを、改めて実感した。

心臓の鼓動が早くなる。


目の前に聳え立つ大きな影を見上げる。

そこいるのは、"俺" だ。


「ア、アンタ......! わ、私のカラダで、何して......!」

顔を真っ赤にしてわなわなと震える "俺" ......もとい、由衣。
怒り、羞恥、悔しさ...... そういった感情が渦巻いているような様子だ。


「な、何って...... そりゃ、ナニ...... というか、オナニー、だけど...... 」
由衣の声で、そう呟く。
流石の俺も、見られてしまったのは結構恥ずかしかったので、目を泳がせてしまう。

(というか俺、由衣の声でオナニー、なんて言っちまった......! )
普段の由衣なら絶対に言わないような言葉。
それを自分が言わせたと思うと、なんだかドキドキする。

「オ、オナ────!? って、わかってるわよ、そんなの!! なんでそんなコトしたのか、って聞いてるのよ!! 」
由衣の怒号が部屋に響く。
それにしても、女口調で話す "俺" ......側から見ると、めちゃくちゃ嫌だな。
中身が女子じゃなかったら殴ってるレベルだ。

そんなことより、こんな大きな声を出していたらまた母さんが来てしまう。
なんとかして落ち着かせねば。

「あ、あのー...... 由衣さん、もうちょっと、声のボリュームをですね...... 」
「それは大丈夫よ、叔母さん、飲みに行ったから。......って、話を逸らそうとしても無駄よ!」

母さんめ、なんてタイミングだ。
父さんは出張で帰ってこないし、俺には兄弟もいないから今この家には、俺と由衣の二人きりだ。


(......いや待て、むしろ好都合か? )

由衣は流されやすい性格だ。
いい感じに上手いこと言って彼女を丸め込めば、このカラダで好き放題できるかもしれない。

折角なら、カラオケでアニソン歌いまくってみたい。
スイーツ食べたり、ショッピングしたり、女の子らしいことをしてみたい気持ちもある。
女子トイレや女湯に行くのもTSの鉄板イベントだ。
オナニーしたり、カラダ開発したり...... エロ自撮りとかもやりたいな。

(夢が広がリング...... 入れ替わり、最高!! 女体、万歳!!! )


「何さっきから黙ってるの! さっさと吐きなさい!!」
つい妄想に夢を膨らませていると、痺れを切らした由衣が俺に掴みかかってきた。

「ごめん、ごめんって! ちゃんと話すから、離してくれ!! あとそろそろ苦しいから縄解いて!」
「...... 変なこと、しないでよね」

落ち着きを取り戻した彼女は、俺の背後に回ると、手足の拘束を解いてくれた。
ホントはこのままおっぱい揉んだりしたいところだが、ここはグッと我慢だ。

(それにしても...... 元は自分のものなのに、男の怒った顔が目の前にあるのは結構怖かったな)


「それで、なんで、オ、オナ...... あんなこと、したの?」
緊張した面持ちで、彼女が問う。

さて、どうしたものか......
とはいえ、もう彼女には性癖がバレてしまっている。
下手に隠さず、できるだけ本当のことを言おう。

「それは...... 」

うっ、いざ言うとなると緊張するな。
普段こういう話をしないのもあるし、ましてや相手は女子だ。
どう言ったらいいかわからない。

「それは......? 」
じーっ、とこちらを見つめる彼女。

そうだ。
俺はこのカラダを楽しむためにも、由衣から多少理解を得ねばならない。
そのためには、ちゃんと知ってもらわないと。

この性癖を、 "入れ替わり" という素晴らしいコンテンツを!


「それは、理屈なんてない!ただ理想の女の子になれたから、オナニーしちゃっただけだ!!」


俺は、高らかに叫んだ。

可愛い幼馴染と入れ替わってオナニーすることは、TS性癖持ちなら当然の道理だ。
王道と言っても過言ではない...... いや、流石に過言かもしれない。

成長するたびに、可愛く、美しくなっていく幼馴染。
いつしか、そんな彼女に "なりたい" と思うようになった。
そんな時に出会ったのが、TSFというジャンルだ。
そこからはもう毎日のように由衣と入れ替わる妄想をし続けた。
妄想し過ぎて、夢に出てくるようにもなった。

その理想のシチュエーションが今、現実となっている。


そんな状況で、添え膳食わぬことなどできない!

今は女の子だけどね!!


真っ直ぐな瞳で彼女を見つめる。

特殊性癖だなんてことはわかってる。
それでも俺は、女体を楽しみたい。


「り、理想の女の子、って...... /// さっきの本といい、まさか私のこと......!? /// 」

由衣は何故か顔を真っ赤にしている。
ブツブツと何か呟いているが、全然聞きとれない。

やっぱり怒らせたか...?

(って、アレ? )


「なあ、由衣...... お前、勃起してるぞ」
「え? ...... な、何よコレ!? 」

ふと目線を下に向けると、俺の身体にテントが立っていた。
いったい、どうして......

もしかして、俺のオナニーを見て興奮したのか?
だとしたら、コイツ...... 素質アリ、だな。

だったら、俺がこの手で、落としてやる。

「どうしたらいいのよ、コレ...... 」
不安そうにズボン越しのチンポを突く由衣。

男のブツに反応する、男 in 女...... 生で見るとこんな感じか、なかなか良き。
このまま男の気持ち良さを、教えてやるとしよう。

「由衣、一度勃起したチンポはな、射精しないと治らないんだ。...俺に、任せてくれないか?」
複雑そうな表情を浮かべながら、由衣はこくりと頷いた。

チャックを下ろしてから、ズボンを脱がせる。
布一枚になったことで、より大きさがはっきりとしてくる。

男物のボクサーパンツに手をかけ、不安げな彼女を見上げる。

「脱がすぞ......? 」
「う、うん」
パンツをずり下げると、肉棒がその姿を現した。
いつも俺の股についていた相棒が、今は目と鼻の先にいる。

見慣れているはずのそれが、なんだか全く別のものに思えた。

「これが、晴彦の....../// 」
由衣も俺の、いや自分の男性器を興味津々といった様子で見つめている。
こんな形で女の子に自分のチンポを見られるとは思っていなかったが、まあ仕方がない。

優しく、慎重に、彼女のチンポを握る。

そのまま、いつもの要領で上下に動かしていく。

「うっ、何これ...... 気持ち、いい...... ? 」
シコシコ、シコシコ、と由衣のチンポを刺激していく。
最初はちょっと抵抗があったが、慣れてくるとむしろ可愛いかもしれない。

(良かったな、俺のチンポ。女の子の...由衣の手で気持ち良くして貰えて♡ )

このまま手コキでイカせるのも悪くはないが、ちょっともったいなく感じる。
折角俺が由衣のカラダになってるわけだし、もっと男として気持ち良くしてあげよう。

一度チンポから手を放し、シャツのボタンを外していく。

ボタンを全て外すと、胸元からは豊満なおっぱいと、それを包む水色のブラが見える。

ホックを外すと、支えを失った双丘の全体が顕現する。

乳首もピンク色で可愛らしい。

試しに揉んでみると、なかなか柔らかい。
ずっと触っていられそうだ。

「ちょっと、勝手に触らないでよ...... というか、コレ......早く、お願い...... 」
お預けをくらっていた彼女が声をかけてくる。
ついおっぱいに夢中になってしまっていた。
恐ろしや、おっぱいの魔力。

「ごめんごめん。待たせた分、ちゃんと気持ち良くしてあげるから、さ!」
たぷん、と由衣のチンポを俺のおっぱいで挟み込む。
男なら誰もが夢見る、パイズリだ。

「これ、すごいっ! おっぱい柔らかくて、あったかくてっ、気持ちいいっ!! 」
由衣もちゃんと気持ち良くなってくれてるみたいだ。
おっぱいの中で、どんどんチンポが熱く、大きくなっているのがわかる。

舌から唾液を垂らし、ローション代わりにしながら胸を上下に動かす。

「ほら、イキそうなんだろ? イけよ、イけ♡ イッちゃえ♡♡ 自分のおっぱいで射精しちゃえ♡♡ 」

ビクビクとチンポが震え、絶頂が近いのが伝わってくる。

「晴彦っ、晴彦っ! ああ、もうだめっ...... 射精る!! 」

由衣の腰が跳ねあがる。

ビュッ、と胸の谷間から白濁液が吹き出し、顔にかかってくる。

胸も精液に汚されている。

「はぁ、はぁ...... 」
彼女は絶頂で息を切らしている。
由衣にとっての、初めての射精。

彼女は、女の子なのに、おっぱいで精通したのだ。


(ああ、ヤバイ... ♡ なんか、すげぇ興奮する......♡ )

女の子になって、ノーハンドメスイキして、自分のチンポを手コキして、パイズリして、ぶっかけられて...... なんだか、ドキドキする。

お腹の辺りが、きゅん、として、頭の中がピンク色になる。
犯して欲しい、なんて思ってしまっている。

(でも、気になる、よな...... 女の子の、セックス......♡ 男とはヤリたくないけど、由衣が相手なら、いいかも...... ♡♡ )

すっかりカラダが発情してしまっていて、頭がボーッとする。

スカートとパンツを脱ぎ捨て、彼女を押し倒す。

「きゃっ!? 晴彦、いきなり何───!? 」
驚く彼女の唇を、キスで塞いだ。

俺にとっては、ファーストキスだ。


「ぷはっ! は、晴彦...... ? 」
息を切らしながら、頬を赤らめる由衣。
見た目は "俺" そのものなのに、愛おしくて仕方がない。
早く、シたい。
彼女と、エッチしたい。

女の子として、気持ち良くなりたい......!!


「ごめん、もう...... 我慢できないっ!! 」
騎乗位の体勢で、俺のマンコに由衣のチンポを挿入していく。

痛みを感じながらも、ゆっくりとチンポを咥え込み、一番奥まで挿入れる。

「はぁ...♡ はぁ...♡ 全部、挿入ったぁ......♡♡ 」
俺のメス穴が由衣のオスチンポでいっぱいになっている。
満たされた気分でいっぱいになる。


「晴彦、大丈夫...? 痛く、ない......? 」
由衣に言われて、血が流れていることに気づく。

このカラダ、処女だったんだ。

女の子が一回しか体験できないコトを、俺が奪ってしまった。

「由衣、ごめん...... ♡ 初めて、だったのに...... ♡ その代わり、いっぱい気持ち良くしてあげるからっ♡ 」

由衣の手を取り、恋人繋ぎをしながら、腰を振り上げ、落とす。


「〜〜〜〜〜〜ッ♡♡♡♡ 」
甘い快楽が脳に染み渡る。
全身が震える。

(すごい、すごすぎる......♡♡ これが、女の子の、快楽なんだ......っ♡♡♡ )
より強い快楽を求めて、腰を動かす。

おっぱいを揺らしながら、搾り取るように由衣のチンポを刺激する。

膣内で擦れるのが気持ち良くて、どんどん締め付けが強くなってしまう。

「はっ、はっ、これっ、気持ちいい! 晴彦のおまんこがっ、絡みついてくるっ!! 」

由衣も俺のカラダで気持ち良くなっているみたいだ。

おまんこの中でチンポが今にも破裂しそうなくらい大きくなっている。

俺の方も、子宮に気持ちいいのが溜まりに溜まって、切なくなってしまっている。

ついさっきまで男だったのに、女の子になりたてなのに、精子を欲しがっている。


「ゆいっ、ゆいっ♡♡ ゆいのせーしっ、俺にちょうだいっ♡♡♡ 俺のおまんこで射精してっ、メスにしてっ♡♡♡♡ 」
「射精るっ! 射精ちゃうぅ!! 膣内に射精しちゃ、駄目っ、なのにっ......! 晴彦の膣内っ、気持ち良すぎっ!! 」

射精を急かすように、腰の動きを早くする。

チンポが膣奥を突くたび、気持ち良すぎて頭が真っ白になる。

「イクッ、イクッッ♡♡ イッちゃうっ♡♡♡ 由衣のカラダでっ、イクッッ♡♡♡♡ 」

頭が馬鹿になって、気持ちいいことしか考えられない。

イキたい、イキたい、早くイキたい。

その一心で、腰を振り続ける。


「私っ...... もう無理っ、射精るっ!! 」

おまんこの奥とチンポの先がぶつかったその時、由衣のチンポから精液が溢れ出した。


「〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ♡♡♡♡♡♡♡ 」

その衝撃に当てられ、俺もカラダを震わせる。

脳が快感に揺さぶられる。

男とは違う、深い、深い、絶頂。

女の子の、おまんこの、絶頂。



(由衣のカラダ、最高......♡ )


あまりの快感に腰が耐えきれなくなり、由衣の方に倒れる。


「晴彦......っ、大丈──── 」

あの時のように、二人の頭がぶつかる。

上にもたれかかる影を見ながら、俺の意識は途絶えた。




──────────



「おまたせ、遅くなってごめん! 」
顔の前で手を合わせながら、彼女の顔色を伺う。

「ごめん、じゃないわよ! 全く、折角の初デートだったのに...... 」
怒りを見せながらも、少し寂しげな様子だ。
まあ、寝坊して一時間遅れた俺が悪いのだが。
しかも、付き合ってから初めてのデートの時に限って。

「最悪よ、全く...... 今日は "入れ替わって" あげないんだから!! 」
ぷい、と不機嫌そうに顔を背ける。

「本当にごめんなさい!! それだけはご勘弁を!!」
コンクリートに頭をくっつける勢いで土下座をする。
久しぶりの "女の子の日" だというのに、それを逃すのは絶対に嫌だ!!

「ええ...... 流石に必死すぎじゃない? ...... そんなに私になりたいの? 」
「もちろん!! 」
自信満々に返事をする。
もう彼女に全てバレてしまった以上隠す気はない。

「はあ、カラダだけじゃなくて、中身も見て欲しいんだけどな」
彼女が暗い表情でぼそっと呟く。

「いや、中身を見てないならこうして一緒にいないだろ! ......俺はお前の心も、愛してるよ」
いざ言葉にするとなかなか恥ずかしい。
とはいえ、これは正真正銘、俺の本心だ。

「そっ、か...... ふふっ♪ しょうがないわね、今回だけよ?」
どうやら機嫌を直してくれたようだ。

彼女は一歩俺に近づくと、目を瞑った。

「よし、行くぞ...... 」

俺は彼女に唇、ではなく、額を合わせた。


目を開けると、目の前には "俺" がいた。

視線を下ろすと、大きな胸の膨らみで足元が見づらい。
長い髪が、俺の頬を掠る。

繊細な肌の小さな手で、膨らみに触れる。

やはり、すごく柔らかい。


「うへへ...... ! 久しぶりの由衣のカラダだ......! 」



あの日、俺たちが初めて入れ替わった日。

セックスをしてから頭をぶつけた後、俺たちは元のカラダに戻っていた。
喜ぶ由衣に対し、俺は絶望の淵に沈んでいたわけだが、由衣から突然告白されてマイナスがプラスに変わった。
TS癖とはいえ、恋愛対象は普通に女子なので断る道理もなく、晴れて俺たちは恋人同士になった。

しかし、由衣のカラダの快感を忘れてられなかった俺は、試しに由衣と頭をぶつけてみることにした。

すると、俺たちのカラダは再び入れ替わった。

そこから何度か試すうちに、額を合わせることが入れ替わりの条件だということがわかった。


そして、今に至る。


「ちょっと、あんまり触らないでよ! 今日はエッチじゃなくてデートがメインなんだから! 」
「ごめんごめん! 魅力的なおっぱいがあったもんだから、つい...... 」
彼女は呆れた目でこちらを見つめる。

「全く...... ほら、早く行くわよ」
「おわ、待てって! ヒールって歩き難いんだよ! 」

あとがき
俺も美少女幼馴染と入れ替わりてェ~~~!!!!

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